図表を入れるべき場所、文章で説明すべき場所

原稿へ図や表を入れたいとき、文章を全部図解すれば分かりやすくなるとは限りません。
比較する項目、作業の順番、条件の違いなど、情報の役割によって合う見せ方が変わります。
図表を入れたあとも、何を読み取るか、どの条件で使うかを文章で補う必要があります。
この記事では、図表が向く場所と、文章で説明する場所を分ける方法をお伝えします。
見た目を増やすためではなく、読者の判断を助けるために選びましょう。
制作する形式に合わせて、実際の表示も確認してくださいね。
最初に、読者が情報をどう使うかを決める
図表を作る前に、その場所で読者が何をするかを考えます。
選択肢を比較するのか、順番を追うのか、全体の関係を理解するのかを分けてください。
文章を飾るだけの画像と、判断に使う図表は役割が異なります。
比較のためなら、項目を同じ欄へ並べる表が候補になります。
順番を示すなら、作業の前後が分かる図や、番号付きの説明を考えられます。
理由や例外を説明するなら、文章の方が条件を示しやすい場合があります。
一つの場所で複数の役割を持つなら、図表と文章を組み合わせる方法もあります。
何を見せたいかではなく、読者が何を判断するかを最初の基準にしてください。
同じ項目で比べる情報は、表へ並べられるかを見る
複数の選択肢を比べるとき、同じ項目がそろうなら表にできます。
例えば、原稿の形式、担当、用意する資料、確認する成果物などです。
比べる対象ごとに項目が違う場合は、先に比較の前提をそろえてください。
同じ名称でも、範囲が異なる情報をそのまま並べると、違いが読み取りにくくなる場合があります。
表へ載せる内容は、確認できる範囲で書きます。
空欄を埋めるために、対応範囲や数値を推測で補わないようにしましょう。
不明な欄は、未確認と示せます。
表の見た目がそろっていることと、条件が比較できていることは別です。
表の前に、何を同じ条件として比べるかを短く示してください。
順番の図は、始点と終点と分岐を確かめる
作業の流れを図にするなら、どこから始め、どこで終えるかを決めます。
例えば、記事一覧を作り、選定し、目次へ並べ、不足を確認する流れです。
矢印が何を意味するかも明確にしてください。
時間の順番なのか、資料の受け渡しなのか、判断の関係なのかを分けて考えてみましょう。
複数の意味を同じ矢印で示すと、どちらへ進むか分かりにくくなる場合があります。
条件によって分岐するなら、その条件を図や隣の文章へ示します。
図を単純にするために、重要な判断を消さないようにしましょう。
全体の流れを図に置き、詳しい条件と手順を本文へ分ける方法があります。
図だけで進めるのか、本文と合わせて使うのかを読者へ案内してください。
図表は、比較・順番・関係のどれを示すかを決め、条件と読み取り方を文章で補いましょう。
理由や例外は、文章で説明する候補になる
判断の理由、個別の条件、例外の扱いは、表の短い欄だけでは伝えきれない場合があります。
文字を小さくして表へ詰め込む前に、本文へ分けられるかを考えます。
表には比較の要点を置き、文章では、どの条件でその判断になるかを説明できます。
例えば、原稿の一部を保留した理由なら、対象読者と本の終点へ関係する説明が必要です。
「対象外」と一言書くだけでは、その判断の前提が分からないことがあります。
表の下へ短い補足を置く方法もありますが、別の大きな話題になるなら節を分けてください。
図表へ全部を入れることを目的にしないようにしましょう。
読者が判断に必要な理由を読めることが大切です。
形式を選ぶ比較表で、情報の役割を見る
次の表は、原稿の情報をどの形で示すかを考える例です。
すべての原稿へ同じ形を指定するものではありません。
| 伝える情報 | 候補の形 | 文章で補うこと |
|---|---|---|
| 同じ項目による比較。 | 比較表。 | 対象と比較の前提、未確認の項目。 |
| 作業の前後関係。 | 流れの図、番号付きの説明。 | 始める条件と、分岐する判断。 |
| 理由と例外。 | 本文の段落。 | 条件が違う場合の扱い。 |
| 資料どうしの関係。 | 関係を示す図。 | 線や配置が何を意味するか。 |
| 読者が記入する項目。 | 確認表、記入例。 | どこへ何を書き、いつ確認するか。 |
形を決めたあと、原稿の要点がその形で読み取れるかを確かめます。
同じ情報でも、短い文章の方が分かりやすい場合は、図表を作らない判断もできます。
図表を置く場所は、本文で必要になる位置へ合わせる
図表があることだけでなく、どこに置くかも見直します。
読者が比較する直前、流れを理解する場面、章末で確認する場面など、役割へ合わせてください。
先に図だけ置く場合は、何を見る図かを短く案内できます。
本文の説明から離れていると、どの箇所へ関係するかが分かりにくくなる場合があります。
図番号や表番号を使うなら、本文の案内と一致させます。
原稿の編集で順番を変えた場合、番号や参照も見直してください。
同じ図を何度か使う場合は、その場所でどの部分を見るかを示します。
図の全部を毎回読む指示ではなく、今回の判断へ必要な部分を案内できます。
本文と図表が、同じ役割を担当しているかを確かめましょう。
図表の前後に、読み取り方と確認を置く
図表を入れる前に、何を見てほしいかを書きます。
入れたあとには、読み取れる要点や、読者が確認する内容を示せます。
例えば、原稿の採用と保留を並べた表なら、条件の違いを見るように案内します。
表のあとで、自分の資料へ同じ条件があるかを確認してもらえます。
本文が表の内容をすべて同じ言葉で繰り返す必要はありません。
比較の意味や、今回の作業へどう使うかを補ってください。
図の見た目から、本文にない因果関係があるように見えていないかも確認します。
二つの項目が近く置かれていることと、一方がもう一方の原因であることは同じではありません。
配置や線の意味を明示し、必要な条件を文章へ残しましょう。
情報が多い図表は、目的ごとに分ける
一枚へ多くの内容を入れた場合、何を比較するかが見えなくなることがあります。
小さい文字で細かな条件を詰め込む前に、目的を分けられるかを考えます。
全体の流れを示す図と、一つの段階の比較表は、別にできる場合があります。
表の列が増えた場合、読者が同時に比べる必要がある項目かを見直してください。
比較へ関係しない情報は、本文や別の表へ移す候補です。
図と表を分けたあと、必要な条件はどこへ移ったでしょうか。
元の説明と見比べ、条件の置き場所まで分かるようにしておきましょう。
複数の図表へ分けることで、同じ説明が何度も繰り返されていないかも見ます。
図表の数を増やすことより、一つずつの役割が明確であることを優先しましょう。
数値を図にするなら、元のデータを保持する
グラフなどで数値を示す場合は、元の数値と条件を確認します。
単位、期間、対象、集めた方法が分かる状態にしてください。
見た目を整えるために、取得していない数字を足さないようにしましょう。
架空の数値で説明する場合は、架空例だと明確にします。
元のデータと、図へ使ったデータを対応させ、計算した場合は方法も記録します。
割合や比較を示すなら、何を全体としているか、同じ対象を比べているかを確認してください。
グラフの色や大きさだけで、実際の差より強く見えていないかも見ます。
数値を使わなくても説明できる情報なら、関係図や文章へ変える選択もあります。
図を作れたことと、数字を確認できたことを別々に確認しましょう。
画面の資料は、必要な部分と掲載条件を確認する
操作画面や作業資料を載せる場合、どの情報を見てもらうかを決めます。
画面全体を入れたために、重要な文字が小さくなっていないかを確認してください。
説明に必要な部分だけを示す方法や、文章で操作の対象を補う方法があります。
ただし、切り抜いたことだけで、使用条件や掲載情報の確認が終わるとは考えないようにしましょう。
個人名、メール、管理用の情報、未公開の資料などが写っていないかを見ます。
掲載条件が未確認なら、その状態を残してください。
現在の説明に合う画面かも確認します。
古い表示を使っている場合は、現在の作業へそのまま当てはめられるかを見直してみましょう。
本文と画像を別々に確認し、組み合わせた状態でも説明が合うかを見ます。
色だけで、条件の違いを伝えない
色で分類する場合、文字や形でも意味が分かるようにできるかを考えます。
採用と保留を色だけで区別すると、表示や印刷の条件によって読み取りにくい場合があります。
名称、記号、配置など、色と合わせて使う情報を示してください。
矢印や囲みも、何を示すものかが分かるようにします。
同じ色を違う意味へ使っていないかを、図表全体で確認しましょう。
紙の本を作る場合は、実際に使う色の条件へ合わせて確認します。
電子でも、対象の表示で見え方を確かめてください。
画面で見た一つの状態だけで、すべての読み方へ合うと決めないことが大切です。
読者が何を判断する図表かを、色以外の説明でも伝えましょう。
電子と紙は、それぞれの成果物で読む
同じ図表を使っていても、電子と紙では確認する成果物が異なります。
原稿の編集画面だけでなく、制作後のファイルで見直してください。
文字、見出し、単位、注記が読み取れるかを確認しておきましょう。
本文の案内と図表が、想定した位置や順番で読めるかも見ます。
表示が小さい場合、拡大して初めて分かるだけでよいかを検討してください。
図を分ける、文字量を減らす、詳しい説明を本文へ戻すなど、役割を保つ形を考えられます。
紙では、用紙へ収めた状態と、本文との位置関係を確認してみてください。
電子では、実際の形式と表示に合わせて、読み取りと移動を確かめてみてください。
一方を確認済みだからといって、もう一方も確認した扱いにしないようにしましょう。
変更した図表は、本文と一緒に版をそろえる
図表の内容を変更した場合は、本文側の説明と参照も確認します。
対象を増やした、条件を変えた、番号を変えた場合、以前の案内が残っていないかを見てください。
作業用の一覧へ、図表名、使う場所、元の資料、現在の版を記録できます。
確認済みの図表と、まだ直している図表を分けてみてくださいね。
制作へ渡す資料には、どの版を使うかを明確にしてください。
旧版の画像が残っていると、本文だけ新しい説明になる場合があります。
修正後の確認用ファイルで、差し替わったことと、内容が合っていることを別々に確認します。
図表の見た目を整えたあとも、数値、条件、注記を見直しましょう。
小さい表を、短い文章へ戻す例
表の項目が二つだけで、条件の説明が長い場合、文章へ戻した方が伝えやすいことがあります。
例えば、原稿がある場合と、資料から作る場合を比べる架空の例です。
表へ長い説明を入れる代わりに、「原稿がある場合は、未完の章と素材を確認します。資料から作る場合は、使える資料と、これから説明する内容を一覧にします」と書けます。
そのあと、どちらの状態かを確認する問いを置きます。
この例では、比較の情報が少なく、読む順番も二つの段落で示せるため、表を使わない候補になります。
反対に、同じ項目が多く、横へ並べると違いが見えるなら、表の役割があります。
図表を作ったあとでも、文章の案と比べてみてください。
読む人が必要な条件を見つけ、次の作業を選べる形を残すことが大切です。
見た目の統一のために、すべての比較を同じ形へ揃える必要はありません。
図表の相談には、役割と元の資料を添える
制作や編集を相談するときは、図表の案だけでなく、何を説明するために使うかを示します。
比較、順番、関係などの役割と、本文で使う場所を書いてください。
元のデータや、掲載条件を確認する資料も必要な範囲で用意します。
図表を自分で完成させるのか、作成や整形も相談したいのかを分けましょう。
ナガーノの出版代行の案内には、基本内容と、原稿作成や編集などについての説明があります。
図表に関する希望は、記載のない対応範囲を推測せず、実際の資料を示して確認してください。
図表を増やすことだけで、内容の理解や販売成果が保証されるわけではありません。
本文との一致と、読者が読み取れる状態を確認して進めましょう。
図表を入れたあとは、役割・条件・本文の案内・表示を確認し、文章へ戻した方が伝わる情報も見直しましょう。
まずは図表を入れたい場所を一つ選び、読者が何を比較し、判断する情報なのかを書いてみてくださいね。