書籍のテーマが広すぎるときに絞り込む方法

本にしたい内容を書き出したら、仕事の手順、集客、道具の選び方、失敗談まで、どんどん増えてしまった。
そんなときは、書ける内容が多いことと、一冊のテーマが決まっていることを分けて考えましょう。
すべてを一冊へ入れる前に、誰が、どんな状況で、何を進めるために読む本なのかを整理します。
テーマを絞ることは、あなたの知識を減らすことではありません。
今回の読者に必要な道筋を選ぶことです。
この記事では、広すぎるテーマを、一冊の役割が分かる企画へ絞り込む方法をお伝えします。
まずは仮の企画で構いませんので、一つずつ書いてみてくださいね。
分野の名前だけでは、一冊の範囲は決まらない
「ブログ」「料理」「仕事術」のような言葉は、本を作る入口になります。
ただし、その分野全体を一冊で説明しようとすると、どこまで書くかを決めにくくなります。
例えば、ブログには、開設、記事企画、執筆、画像、更新、紹介方法など、さまざまな作業があります。
初めて開設する人と、記事はあるが書籍化したい人では、必要な説明が異なります。
分野名のあとへ、読者の状況と、扱う作業を足してみましょう。
「ブログについての本」から、「書きためたブログ記事を、初めて一冊の原稿へ整理する本」へ変える形です。
この例は、企画の絞り方を示す架空の例です。
売れる題名や、成果が確約された企画という意味ではありません。
誰の、どの作業を扱うかが具体的になると、必要な章を考えやすくなります。
読者の「読む前」を具体的に書く
テーマを絞るときは、読者の年齢や職業だけでなく、読む前の状態を考えます。
何を持っているか、何を知っているか、どこで止まっているかを書いてみましょう。
例えば、ブログを書籍化する企画なら、記事はあるが、対象の記事を選べていない状態が考えられます。
一方、原稿はまとまっているが、電子と紙の違いが分からない人は、別の段階にいます。
同じ初心者という言葉でも、出発点が違うことがあります。
出発点をそろえないまま原稿を書くと、ある読者には説明が足りず、別の読者には同じ説明が長く続いてしまいます。
あなたが想定する読者について、持っている資料、経験している作業、今困っている点を一行ずつ書いてください。
実際に確認できた相談や質問があるなら、それを参考にできます。
確認できていない気持ちは、読者全員の事実とせず、企画上の想定として扱いましょう。
読む後の状態は、具体的な判断や作業で示す
「知識が増える」「自信が付く」だけでは、本の終わりを決めにくくなります。
読む後に、どんな資料を作れるか、何を比較できるか、どの判断ができるかを考えましょう。
ブログの書籍化なら、「対象記事を選び、仮の目次と不足原稿の一覧を作れる」という終点にできます。
本を読めば必ず売上が上がる、出版すれば必ず信頼される、といった結果を約束する必要はありません。
本の中で扱える作業へ置き換えてください。
終点が分かれば、そのために必要な説明を選べます。
反対に、終点と関係の薄い話題も見つけやすくなります。
例えば、原稿整理までの本なら、販売開始後の広告運用を詳しく説明する章は、今回の中心から外れるかもしれません。
扱わない項目が出ても、あなたに説明する知識がないということにはなりません。
今回の一冊が担当する範囲を決めているだけです。
思いついた内容を、役割別に並べ直す
次に、書きたい内容をすべて短い項目として書き出します。
まだ章立てにはせず、素材の一覧にしましょう。
その一覧を、今回の終点に必要な内容、理解を助ける内容、別の目的を持つ内容へ分けます。
必要な内容は、欠けると読者が判断や作業を進めにくくなるものです。
理解を助ける内容は、例や比較、よくある迷いへの説明などです。
別の目的を持つ内容は、今回の終点へ直接つながらないものです。
最後の内容は消さずに、別の企画として保管できます。
分類に迷う項目は、「この説明がないと、読者はどこで困るか」と考えてみてください。
答えが具体的なら、必要な内容として残す理由になります。
「知っているから入れたい」だけなら、入れる前に役割を考え直しましょう。
項目の数が少ない方がよいという意味ではありません。
一つずつ、今回の本の中で果たす役割を明確にします。
広げる方向を一つずつ比較する
広すぎるテーマは、対象者、作業段階、場面、資料の種類など、いくつかの方向から絞れます。
同時にすべてを狭くする必要はありません。
どの方向へ絞ると、説明の道筋が作りやすいかを比べてみましょう。
| 絞る軸 | 架空の企画例 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 作業段階 | ブログ記事を選んで目次を作る。 | 原稿整理のどこまでを説明するか。 |
| 使う資料 | 講座の質問から原稿を作る。 | 質問の記録と説明材料があるか。 |
| 利用場面 | 著書をサイトで紹介する。 | 紹介に必要な情報を扱えるか。 |
| 読者の状態 | 原稿はあるが制作形式を決めていない。 | 比較の前提をそろえられるか。 |
候補ごとに、あなたが説明できる具体例と、追加確認が必要な情報を書きます。
似た候補でも、必要な材料が違うことがあります。
説明の根拠が薄いまま狭くするより、読者が必要とする判断と、用意できる材料が合う範囲を探してください。
二つの目的が混ざっていないかを見直す
一冊の企画に、「最初の一冊を作る」と「出版後に売上を伸ばす」が並んでいる場合があります。
関連する目的ですが、必要な説明や確認は異なります。
両方扱いたいなら、どちらを本の中心に置くかを決めましょう。
中心を原稿作成に置くなら、出版後の活用は次の行動が分かる範囲の説明にする方法があります。
中心を著書紹介に置くなら、出版の全手順を長く説明する必要があるかを見直してみましょう。
中心が二つあると、章の順番も、題名も、読者への案内も決まりにくくなります。
「この本を読み終えたら、まず何をするか」という問いに、別々の作業が何個も出る場合は、役割を整理する手がかりになります。
複数の目的を持つ本が作れないわけではありません。
ただし、なぜ同じ一冊で扱うのか、読者にとってどんな順番になるのかを説明できる状態にしてください。
絞りすぎて、必要な前提まで抜けていないか確認する
テーマを絞った結果、手順に必要な説明まで消えていないでしょうか。
範囲を狭めることと、前提を省くことは分けて考えたいですね。
例えば、「記事を章へ並べ替える」ことだけを扱っていても、選ぶ基準がなければ、どの記事を使うかで迷います。
操作だけを短く示しても、その操作を選ぶ理由が必要な場合があります。
読者の出発点へ戻り、今回の手順を始めるために何を知っている必要があるかを確かめましょう。
前提の説明は、分野全体の歴史まで広げる必要はありません。
今の判断へ関係する範囲を、短い例と一緒に示せます。
初心者向けの本なら、使う言葉の意味を説明する箇所も考えてください。
説明をほかの章へ移す場合は、その章を先に読める順番になっているかを見ます。
狭いテーマでも、出発点から終点までの道筋は切らないことが大切です。
文字数を少なくするためだけに、必要な判断を読者任せにしないようにしましょう。
三つの企画案を、一文ずつ書いて比べる
候補が複数ある場合、いきなり一つの目次を完成させるより、短い企画文で比べる方法が使えます。
「誰が、どんな状態から、何を整理する本か」という形で、三つほど書いてみてください。
例えば、次のような架空の案です。
- 記事が多くて選べない人が、書籍に使う記事と不足原稿を整理する本。
- 講座資料を持っている人が、質問を手順に並べ直して目次を作る本。
- 原稿がある人が、出版代行へ相談する担当範囲と素材を整理する本。
それぞれについて、具体例を用意できるか、終点を説明できるか、未確認事項を把握できるかを見ます。
アクセスや売上の予測を、根拠なく点数にする必要はありません。
まずは、内容を作れる範囲と、読者の作業が合うかを確かめてみてください。
企画文が長くなりすぎる場合は、目的をいくつもつないでいないかを見直してください。
一文で示すことは、考えた内容を全部捨てることではなく、中心を見つけるための作業です。
仮の目次で、企画の幅を確かめる
一つの候補を選んだら、仮の目次を作ります。
章名の数を先に決めるより、出発点から終点までに必要な判断を順に並べましょう。
ブログ記事の選定なら、対象読者を決める、記事を一覧にする、使う基準を決める、重複を整理する、不足を確認する、という流れが考えられます。
各章の横へ、読者が何を決めるかを書いてください。
二つの章が同じ判断を説明しているなら、分ける理由を見直してみてくださいね。
ある章だけ別の読者を想定しているなら、今回の範囲へ収まるかを考えます。
仮の目次を作ってみると、テーマを狭くしたつもりでも、最後に大きく広がっていることが分かる場合があります。
そのときは企画文へ戻り、今回の終点と比べてください。
目次の見た目だけを整えるより、各章が同じ目的へ向かっているかを確認することが大切です。
説明できる材料と、これから調べる材料を分ける
企画がまとまったら、章ごとに使う資料を整理します。
自分の作業記録、既存の記事、講座資料、確認できる事例、公式情報などを分けましょう。
以前書いた文章があることと、今も内容が正しいことは同じではありません。
変わる可能性がある手順や条件は、執筆時に確認が必要です。
根拠を確認していない箇所は、「確認待ち」と残してください。
事例がないからといって、実際の経験として架空の結果を入れないようにしましょう。
説明用の架空例なら、そのことが読者へ分かる形で使えます。
材料を見直すことで、現在の企画で説明できる範囲と、追加準備が必要な範囲が見えてきます。
資料の不足が大きい場合は、テーマを変えるか、準備を増やすかを検討します。
勢いで題名を決める前に、本文を支える材料を確かめておくと、後から無理な約束を減らしやすくなります。
企画を人へ説明して、前提の抜けを見つける
短い企画文と仮の目次を見直すときは、読む前の状態を知らない人にも伝わるかを考えます。
「初心者向けです」だけで済ませず、何を持ち、どこで困っている読者かを添えてください。
説明を聞いた人から、何を準備すればよいか、どこまで扱うのかと質問されたら、企画の補足に使えます。
少人数の反応を、すべての読者の需要や販売結果として扱う必要はありません。
企画の伝わり方を確認する材料として使いましょう。
自分だけで見直す場合は、翌日に企画文を読み返し、目次を見ずに終点を説明してみる方法もあります。
題名の響きだけが残り、具体的な作業が説明できない場合は、役割をもう一度整理してください。
質問で見つかった点を全部追加するのではなく、今回の読者と終点に関係するかを判断します。
企画の確認でも、範囲を広げすぎないことが大切です。
出版相談には、選んだ範囲と未定の項目を持っていく
テーマを変更した理由も、一行残しておくと相談のときに役立ちます。
例えば、「開設から運営までを考えたが、既存記事の整理へ絞った。読者は記事を持っている人で、開設の説明は今回扱わない」という形です。
ここへ、保留した内容も別に書いておきます。
打ち合わせで保留項目の話が出ても、今回の本文へ入れるものと混同しにくくなります。
相談後に範囲を変える場合は、企画文だけでなく、仮の目次と読者の出発点も一緒に見直してください。
中心だけが変わり、章の説明が以前の目的のまま残ると、原稿の中で道筋が途切れてしまいます。
相談のために、企画を完全に仕上げる必要はありません。
候補のテーマ、想定読者、読む後の状態、使える資料、未定の項目をまとめておくと、相談したい点が具体的になります。
目次が仮なら、仮だと伝えてください。
原稿作成や編集も相談したい場合は、制作だけを依頼するつもりなのか、内容の整理も依頼したいのかを分けて考えてみましょう。
ナガーノの出版代行の案内には、基本内容と、原稿作成や編集などのオプションが記載されています。
あなたの企画の状態に合わせて、どの作業を相談するかを確認できます。
テーマを決めたことが、出版審査や販売成果を保証するわけではありません。
本の内容を作り、確認するための前提が整った段階として考えてください。
書けることを全部入れる前に、今回の読者が一冊で進める作業を決めましょう。
まずは、読む前の状態と、読み終えたあとに整理できるものを、一行ずつ書いてみてくださいね。