似た本があるテーマで独自の切り口を作るには

本にしたいテーマを調べたら、似た内容を扱う本がすでにあった。
そのことだけで、今回の企画を諦める必要はありません。
同じ分野でも、対象読者、作業の段階、使う資料、説明する判断によって、一冊の役割は変わります。
大切なのは、ほかの本の言葉を少し変えることではなく、あなたが説明できる道筋を作ることです。
この記事では、似た本があるテーマで、自分の資料と手順から独自の切り口を整理する方法をお伝えします。
他書の内容を確認していないのに、不足していると決めつける必要はありません。
確認できた情報と、自分の企画上の判断を分けて進めましょう。
似ている理由を、分野名から具体化する
似た本があると感じたら、何が同じなのかを整理します。
題名に同じ言葉があるのか、対象読者が近いのか、同じ手順を扱っているのかを分けてください。
分野名が同じだけなら、読者の出発点や終点は異なる場合があります。
例えば、ブログの記事企画を扱う本と、記事を書籍原稿へまとめる本は、資料の使い方が違います。
同じブログという言葉でも、一冊で担当する作業は同じではありません。
確認できる書名、紹介文、公開されている目次などから、分かる範囲を記録しておきましょう。
本文を読んでいない場合は、本文の説明が不足していると評価しないでください。
公開情報から分かる範囲の比較として残します。
まず、似ている理由と、まだ確認できていないことを分けると、漠然とした不安を具体的な判断へ変えやすくなります。
読者の出発点が同じかを比べる
独自の切り口を考えるときは、どんな状態の読者へ向けるかを整理してみましょう。
資料を何も持っていない人と、記事や講座資料を持っている人では、必要な説明が異なります。
似たテーマでも、出発点を具体化すると、本の役割が見えてきます。
ただし、ほかの本と違う読者を選ぶことだけを目的にしないようにしましょう。
その読者が必要とする説明を、あなたが用意できるかを確認しておきましょう。
対象を変更したら、本文の前提も変わる場合があります。
初心者向けの題名へ変えただけで、本文が初心者向けになるわけではありません。
使う言葉の説明、準備するもの、手順の入口を見直してください。
自分の資料が合う出発点と、説明したい作業が一致する範囲を探します。
他書を避けるために無理な対象を作るより、実際に説明できる条件を明確にすることが大切です。
自分の資料を、切り口の材料として棚卸しする
独自性を考える前に、手元で使える資料を書き出します。
自分で書いた記事、作業メモ、講座資料、確認した質問、手順を見直した記録などです。
その資料から、どんな判断を説明できるかを添えてください。
例えば、記事の採用を迷った記録があるなら、選定基準を説明する材料になります。
原稿の順番を変えた記録なら、前提と実践を並べ直す手順へ使える場合があります。
資料があることと、本へ掲載できることは分けて確認します。
公開してよい範囲や、情報の正確さが未確認なら、その状態を残してください。
実例を持っていないところへ、実績や体験を作る必要はありません。
説明用の架空例を作る場合は、架空だと分かる形で使います。
あなたの資料から説明できる判断を見つけることが、切り口を考える土台になります。
結果だけでなく、判断の途中を説明する
独自の内容を考えるとき、珍しい成果や大きな実績が必要だと感じることがあります。
しかし、読者へ役立つ説明は、結果の大きさだけで決まりません。
どの資料を使い、何を比較し、なぜその手順を選んだかを説明する方法があります。
例えば、記事を本へ入れる判断なら、採用した記事だけでなく、保留した理由を示せます。
目次を変えた例なら、変更前の問題と、変更後にそろえた前提を説明できます。
その判断が使える条件も添えてください。
あなたの一つの経験を、すべての読者へ同じように当てはまる法則として扱わないことが大切です。
結果を示す場合も、確認できる範囲と、分からない要因を分けて考えてみましょう。
同じ方法を使えば必ず同じ成果が出る、と約束する必要はありません。
読者が自分の条件へ当てはめるための判断材料を作りましょう。
切り口の軸を、別々の候補として比べる
切り口は、対象、場面、資料、作業段階、判断の基準などから考えられます。
次の表は、同じ書籍化という分野から、異なる企画を考える架空の例です。
| 軸 | 企画の方向 | 用意する材料 |
|---|---|---|
| 資料 | ブログ記事から原稿を整理する。 | 記事の一覧、重複と不足の例。 |
| 場面 | 講座の説明を文章へ変える。 | 資料、口頭で補った説明、質問の要点。 |
| 段階 | 原稿完成前に依頼範囲を整理する。 | 原稿の状態と担当を分ける表。 |
| 判断 | 一冊に入れる内容を選ぶ。 | 採用と保留の理由、構成の変更例。 |
全部の軸を一冊へ入れる必要はありません。
候補ごとに、読者の出発点と終点を一文にします。
用意できる材料と、追加確認が必要な材料も分けてください。
違いの大きさだけを競うより、一冊の道筋を説明できるかを比べましょう。
ほかの本の構成を、言い換えるだけにしない
他書の目次を参考にして、自分の章名へ置き換えるだけでは、今回の読者へ合う構成になるとは限りません。
自分の企画の出発点、終点、必要な判断から順番を作りましょう。
まず、読者が何を準備し、どの作業を行い、何を確認するかを書き出します。
その順番へ、自分の資料と説明を当てはめてください。
他書と同じ一般的な作業が出てくる場合もあります。
違いを作るためだけに必要な順番を崩す必要はありません。
ただし、文章や具体例をそのまま使うことと、同じ分野の基本的な作業を自分で説明することは分けて考えます。
自分が確認できる資料から、自分の言葉で説明してください。
参考にした情報と、自分の説明の区別も残します。
表現だけを変えれば、内容の確認や素材の扱いを省けると考えないことが大切です。
独自の道具を作るなら、使い方を説明する
判断表やチェックシートを作ることも、あなたの説明を具体化する方法です。
ただし、表を載せただけでは、読者がどう使うか分からない場合があります。
何を記入し、どこを比べ、どの状態なら次へ進むかを示してください。
例えば、原稿の不足を整理する表なら、章名、既存の資料、書く必要がある説明、確認待ちの項目を分けられます。
記入例の情報は、実際の記録でしょうか、それとも説明用の架空例でしょうか。
どちらかが分かるように区別しておきましょう。
チェック欄が多いことを、便利さや独自性の根拠にしないようにしましょう。
読者の判断へ使えない項目は、減らす候補になります。
道具を作ったら、自分の資料へ当てはめて、項目が足りるかを確認できます。
その道具だけで結果が保証されるわけではありません。
判断を整理するための使い方と、確認できないことも説明しましょう。
違いを出すために、不要な話題を増やさない
似た本と違う内容を入れたいあまり、関係の薄い章を追加すると、一冊の役割が広がりすぎることがあります。
追加する話題ごとに、今回の読者がどの判断で使うかを確かめてください。
役割が説明できない場合は、別の企画へ保留する方法があります。
珍しい話題があることと、読者の作業を助けることは同じではありません。
基本の手順を説明する本なら、基本に必要な材料を厚くする方が合う場合もあります。
独自性を見せるために、前提の説明を省いたり、通常の順番を不自然に変えたりしないようにしましょう。
違いは、誰へ、どの条件で、何を説明するかから作れます。
内容を増やしたあとも、出発点から終点まで同じ道筋があるかを見直してみましょう。
一つの切り口へ絞ることも、読者に内容を伝える方法です。
比較の記録と、本文へ載せる評価を分ける
他書との比較を企画資料へ残す場合は、確認した場所と範囲を明記します。
紹介文から分かったこと、公開目次から分かったこと、本文で確認したことを分けてください。
分からない項目を、自分の本が優れている根拠として使わないようにしましょう。
「他書にはない」と書きたい場合は、本当にその範囲を確認できているかを見直してみてくださいね。
企画の中では、他書の評価より、あなたの本の担当範囲を示す方が説明しやすい場合があります。
例えば、「記事の選定と不足原稿の整理を扱う」と、自分の内容を示せます。
他書を低く評価しなければ、自分の役割が伝えられないわけではありません。
比較の資料を作ったことと、その評価を公開することも別の判断です。
実際に確認できた情報へ基づいて、掲載する必要があるかを考えてください。
一章の試作で、切り口が本文に表れるかを見る
独自の切り口を一文で決めたら、一章だけ試作してみましょう。
例えば、判断の途中を説明する企画なら、条件、選択肢、選んだ理由、確認する内容を並べます。
資料整理を中心にした企画なら、元の資料と、整理後の一覧がどう変わるかを説明できます。
本文を作ると、切り口が題名だけに残っていたことに気づく場合があります。
一章の説明から、今回の読者と作業が読み取れるかを見てください。
一般的な説明だけになっているなら、自分の資料から示せる条件や判断を補います。
実例の材料が足りない場合は、未確認のまま完成扱いにしないようにしましょう。
資料を増やすか、扱う範囲を見直すかを考えます。
切り口を決めたことと、本文として十分に説明できたことを、別々に確認してください。
うまくいかなかった過程も、条件と確認へ変える
自分の作業記録には、採用しなかった案や、途中で変更した手順も含まれる場合があります。
失敗という名前で終えるより、どんな条件で、何が分からず、何を見直したかを整理してください。
例えば、記事を公開順に並べたら前提が後に出てきた、という記録なら、章の順番を確認する説明に使えます。
これは、作業記録の使い方を示す架空の例です。
実際の原因を確認できていない場合、原因を一つに決めつけないようにしましょう。
変更前に気づいたこと、変更した内容、変更後に確認したことを分けて書けます。
うまくいかなかった過程を載せるときも、誰かの評価を下げることを目的にする必要はありません。
読者が同じ条件を見つけ、どこを確認するかを判断できる説明へ変えます。
結果だけを強く見せるより、迷った段階で何を確かめたかが、今回の切り口を支える材料になる場合があります。
この記録を章へ入れるなら、基本の手順を説明したあとに、条件の違いを考える例として置けます。
例の最後には、読者が自分の資料で確認する点を短くまとめ、経験談だけで終わらない形にしましょう。
紹介文は、自分の本の役割から書く
企画がまとまったら、読者、出発点、説明する作業、使う材料を短く紹介できます。
「ほかにはない」「唯一」といった比較の強い言葉を使う前に、その根拠を確認してください。
確認できない場合でも、具体的な内容を示すことはできます。
例えば、原稿の採用と保留を判断する表がある、講座資料を文章へ補う手順を扱う、と説明できます。
本文にある内容を紹介することで、本の役割が伝わります。
出版したことだけで、専門性や信頼が必ず認められると保証する必要はありません。
専門性を伝えたいなら、条件を見て判断する説明や、根拠を確かめる姿勢を本文へ表せます。
題名、サブタイトル、紹介文が、同じ切り口を示しているかも確認しましょう。
紹介文だけが、本文にない大きな結果を約束していないかを見てください。
企画の材料を、相談できる形へまとめる
切り口が決まったら、相談用の資料へまとめます。
対象読者、使う資料、説明する判断、仮の目次、試作した章を示してください。
ほかの本との違いを説明する場合は、確認できた情報の範囲を添えます。
まだ資料が足りないところや、情報確認が必要なところも残しましょう。
自分で本文を完成させるのか、原稿作成や編集を相談したいのかを分けてみてくださいね。
ナガーノの出版代行の案内には、基本の出版作業と、原稿作成や編集についての説明があります。
あなたの企画の状態を示して、今回どの作業を依頼するかを確認してください。
違う切り口があることだけで、審査や販売成果が決まるわけではありません。
本文に表れる具体的な説明と、公開前の確認を合わせて進めましょう。
似た本があるときは、自分の読者・資料・判断・手順を具体化し、本文で説明できる切り口を作りましょう。
まずは手元の資料を一つ選び、そこから説明できる判断と、その判断を使う読者の状態を書いてみてくださいね。