カラー印刷と白黒印刷、図表のある本はどう選ぶ?

図表のある本を紙で出版するとき、カラーにするか白黒にするかを、費用だけで決めていませんか。
図の意味が色に依存している場合、白黒へ変えると、読者が必要な違いを見分けにくくなることがあります。
反対に、色が装飾の役割だけなら、名称や線の形を整理して白黒で説明できる場合もあります。
ナガーノがこの記事で整理するのは、図表の情報を点検し、印刷の候補を読みやすさと仕様、費用の条件から比較する方法です。
特定の印刷方法を選べば売上や読者の満足が高まるという保証ではありません。
実際の原稿と、利用する市場の現在の条件を確認してください。
色が、情報なのか装飾なのかを分ける
図の色には、分類を示す、注意する場所を示す、写真の状態を伝えるなどの役割があります。
背景や枠の色が、単に見た目を整えるために使われている場合もあります。
画像ごとに、色をなくしたら何が分からなくなるかを書きます。
その答えが、カラーを検討する理由になります。
色が付いていることだけで、必ずカラーが必要とは判断しないようにします。
白黒へ変えた図を、実際に読む
白黒の見本を作ったら、図が見えるかだけでなく、本文で説明する違いを探してみます。
色分けした線が同じ濃さに見える、背景と文字が混ざるなどの状態がないかを確認しておきましょう。
写真では、本文で確認してほしい部分が判別できるかを見ます。
図の意味が変わっていないかを、カラーの元画像と照合します。
白黒へ変換できたことだけで、読者が同じ情報を理解できると判断しません。
確認した見本と、実際に印刷するファイルを区別して管理してください。
色以外の手掛かりを加える
赤い線と青い線で区別していた図なら、線の種類や名称を追加する方法があります。
分類に番号や形を使う方法も考えられます。
本文の「赤い部分」という表現は、色以外で対象を特定できるかを見直します。
ただし、手掛かりを増やしすぎると図が複雑になるので、必要な情報を選びます。
図の凡例と本文の名称をそろえます。
色を変えたことより、同じ比較や手順を追えるかを基準にしてください。
写真の役割によって、必要な色を考える
写真が形や配置を説明するためのものなら、白黒でも確認できる部分があるかもしれません。
色の違いや状態が説明の中心なら、白黒では必要な情報が失われる場合があります。
実際の写真を見て、本文の問いに答える内容が残るかを確認してみてください。
写真をカラーにすれば細部の問題も全部解決するとは限りません。
元画像の品質、配置する大きさ、文字や注の読みやすさも点検します。
原稿の役割と、画像の情報を対応づけて選んでください。
カラーの選択肢を、現在の条件で確認する
KDPでは、標準カラーやプレミアムカラーなどの説明があります。
ただし、あなたの市場、判型、ページ数、読む方向でどの条件が使えるかを確認する必要があります。
選択肢の案内はKDP公式の印刷オプションと、カラーインクの説明を参照してください。
一般的な説明だけで、すべての原稿へ同じ選択肢が使えると判断しません。
実際の設定で選べる条件と、公式の対象範囲を照合しておきましょう。
案内の差や判断が残る場合は、条件を特定して公式の確認先へ相談します。
紙の条件も、インクと一緒に確認する
白黒とカラーでは、選べる紙の条件が同じとは限りません。
インクだけを変えて、以前の用紙の条件をそのまま使えると決めないようにします。
紙の名前、判型、ページ数をセットで記録します。
紙の色や印刷の見え方は、実際の確認も必要です。
画面で白黒にした見本と、製本した本の状態を同じ結果として扱いません。
どの段階で何を確認したかを残してください。
印刷費用は、同じ仕様で比べる
費用の候補を比較するときは、市場、判型、ページ数などの条件をそろえます。
原稿が違う本の費用を、そのまま比較へ使わないようにします。
KDP公式では、印刷費用が判型、ページ数、インク、紙、市場などで変わることが説明されています。
現在の条件はKDP公式のペーパーバックの印刷コストで確認してください。
一般的な単価を記憶だけで当てはめず、現在の仕様で見込みを確認します。
費用が低いことと、図表が必要な情報を伝えることを、別の欄で比べます。
本文の一部の色と、本全体の設定を区別する
原稿の一枚だけがカラーでも、本文の印刷設定としてどの条件を選ぶかを確認しておきましょう。
使ったカラーの画像の枚数だけで、実際の費用を推測しません。
一部のページだけ別の費用になると、根拠なく判断しないようにします。
その一枚の図を白黒でも読めるように直せるか、色が必要な内容かを点検します。
本全体の仕様を決める前に、画像の役割を整理してみましょう。
図を変更する場合は、元の情報が失われていないかを確認してください。
出版後に簡単に変えられると考えない
KDP公式では、出版後の本文のインクと用紙のタイプの変更に制約が案内されています。
最初は白黒で出し、後で同じ設定のままカラーへ変えればよい、と判断しないようにします。
白黒版とカラー版を別に制作する場合も、登録と識別情報の扱いを確認します。
現在の案内は、公式の印刷オプションで確認してください。
選定の理由と、最終の仕様を出版前に整理します。
後から変えたい部分があるなら、その変更方法を確認事項として残します。
表紙の色と、本文の色を混同しない
表紙がカラーであることと、本文をカラーで印刷することは、別の仕様です。
表紙と本文のファイルを分け、それぞれで確認する条件を整理します。
本文の印刷色を変更した場合、紙や背表紙の条件へ影響するかを見ます。
以前の表紙テンプレートが、現在の本文の仕様に合うかを照合してみてください。
同じ見た目の表紙を使う場合でも、寸法が同じとは限りません。
本文と表紙の対応を管理表へ残してください。
試作で、通常の図と色が重要な図を選ぶ
候補の印刷方法を検討するときは、複数の種類の図を試作へ含めます。
通常の線図、写真、色分けが重要な表などを選びます。
最も分かりやすい図だけで確認を終えると、ほかの画像の問題を見落とす場合があります。
本文の前後を付けて、図を見る目的も確認します。
印刷前の見本で分かることと、校正刷りで確認することを分けます。
未確認の印刷状態を、問題がなかった結果として扱わないようにします。
架空の色分け図を見直す例
架空の手順図で、準備を青、実行を赤、点検を緑で示しているとします。
白黒では区別が弱い場合、各段階の名称と番号を加える案を考えられます。
色がなくても、矢印の順番と本文の説明から流れを追えるでしょうか。
段階の名称や番号と合わせて、白黒での読み方も確かめてみましょう。
一方、写真の色の変化を比較する章なら、名称を加えるだけでは同じ情報を保てない場合があります。
その内容はカラーの必要性を検討する材料として分けます。
この例は特定の印刷方法の推奨ではなく、色が伝える情報を確認するための例です。
選定の確認表を使う
印刷色の候補を比べる表には、読みやすさと仕様、費用を分けて書きます。
| 確認欄 | 見る内容 |
|---|---|
| 情報 | 色がなくなると何が分からないか |
| 図の修正 | 名称や線で区別できるか |
| 仕様 | 市場、判型、ページ数、紙に合うか |
| 費用 | 同じ原稿条件の見込みは何か |
| 確認範囲 | 見本や校正刷りで何を確認したか |
未確認の欄を、すべての候補で同じ値として埋めないようにします。
条件を変えたら、見込みと表示の両方を再確認します。
図表の修正と、印刷仕様の決定を分ける
図に名称や線を追加したことだけで、白黒の印刷が適切と決まったわけではありません。
修正後の図を本文の中へ配置し、必要な情報を読み取れるかを見ます。
印刷仕様の選定では、実際に使う原稿の版を確認してみてください。
図の修正がまだ終わっていないなら、印刷色を最終決定した状態としないようにします。
確認した版と、完成した制作ファイルを対応づけます。
選定の理由と、残る確認を記録してください。
図の情報を、白黒の見本へ照合する
確認を始めるなら、色を使う図を一枚選び、本文で読者に確認してほしいことを三つ以内に書きます。
次にカラーの図を見て、その三つがどこにあるかを特定します。
白黒の見本でも、同じ場所と関係を追えるかを確認します。
色の違いだけで探していた項目が見つからない場合は、名称や形の追加を修正候補にします。
濃淡の違いを増やすだけで十分かどうかも、実際の見本で確かめます。
図の一部を黒くした結果、文字や細い線が隠れていないかを見ます。
特定の項目を強調したつもりでも、ほかの項目が読めなくなれば、説明全体を使いにくくする場合があります。
図の意味を保つために、修正前の画像と本文を保存し、新しい見本を別に管理します。
名称を追加した後は、その言葉が本文にも同じ意味で使われているかを照合しておきましょう。
本文で使っていない新しい略語を図だけに加えると、読者が何を示すか迷うことがあります。
必要な用語なら本文へ説明を加え、不要なら図の表記を整理してください。
修正後の図を単独で見るだけでなく、前後の文章を含めて確認します。
これにより、カラーの図で説明していた関係を、白黒の図と本文でも追えるかを点検できます。
写真が多い本では、比較する目的を決める
写真集や写真で手順を示す本では、一枚ごとに写真を見る目的を確認します。
雰囲気を伝える写真と、細かな状態を比べる写真では、残したい情報が違います。
形の違いを説明する写真なら、輪郭や配置が見えるかを確認しておきましょう。
色の変化を説明する写真なら、その変化を別の手掛かりで伝えられるかを考えます。
言葉で置き換えるだけでは情報が十分でない場合、カラーの必要性として記録します。
すべての写真に同じ処理を一括で行う前に、通常の写真と、色が重要な写真を分けて考えてみましょう。
暗い部分や明るい部分の細部が失われていないかも確認します。
画面で見える細部が、印刷でも同じ状態になると保証しないようにします。
確認用の見本で判断できることと、実際の校正刷りで確かめることを一覧へ分けます。
写真に写っている素材や情報の利用条件は、印刷色の選定とは別に確認します。
色を変えたことだけで、掲載する権利の確認が不要になるわけではありません。
写真の順番を変えた場合は、本文の参照とキャプションも照合してください。
候補の印刷方法で、写真が本の目的に必要な情報を保てるかを、個別に点検します。
費用の比較と、選定の判断を記録する
費用の見込みを確認するときは、使用する市場と仕様を一枚の表へまとめます。
同じページ数と判型で、インクや紙を変えた候補を作ります。
選べない条件がある場合は、その候補を実行できるものとして計算しません。
現在の設定で確認できる条件を特定し、不明なものは未確認として残します。
費用の数字には、確認日と計算に使った仕様を添えます。
その後、図表の読みやすさの結果と並べて、どの違いを重視するかを判断します。
安いという理由だけで、必要な情報が失われる案を採用しないようにします。
高いという理由だけで、内容に関係のないカラーを増やす必要もありません。
読者が使う情報を保てるかと、制作や販売で選べる条件があるかを合わせて見ます。
候補を選んだ後は、なぜその方法にしたかを短く残します。
図表を変更した結果、別の方法でも読めるようになった場合は、新しい原稿の版を基準に再確認します。
印刷色の選定が終わった段階と、本文や表紙の制作、校正刷りの確認が終わった段階は分けます。
最後に、選んだ仕様と提出するファイルの対応を照合します。
制作途中の見本を、確認済みの完成ファイルとして混同しないようにしてください。
印刷の相談へは、この選定理由と残る確認に、原稿の版と確認日も添えて一緒に渡します。
印刷の相談へ、図表の目的を伝える
制作を相談する場合は、図表の一覧と、各画像が説明する内容を用意します。
色が必要だと考える部分と、白黒でも説明できそうな部分を分けてみてくださいね。
判型、読む方向、ページ数、希望する市場も整理します。
図表の情報を保ったまま、読みやすさと印刷条件、費用を比べ、選んだ理由と確認結果を残しましょう。
ナガーノの出版代行サービスの対応内容や申込み条件は、案内ページで確認できます。
あなたの原稿と印刷の希望を整理し、制作で相談したい範囲を具体的にして検討してください。