書籍タイトルを決める前に整理したい読者と約束

書籍のタイトルを決めようとして、言葉の候補ばかり増えてしまうことがあります。
目を引く表現を探す前に、誰へ向けて、何を説明する本なのかを整理してみましょう。
タイトルは、本文を読む前の案内になります。
題名から受け取る期待と、実際の内容が食い違うと、本の役割が伝わりにくくなります。
この記事では、タイトルを考える前に、読者と、本の中で扱う約束をまとめる方法をお伝えします。
ここでいう約束は、読めば必ず結果が出るという保証ではありません。
どんな状況の人へ、どの判断や手順を説明するかを、本文と一致させるための整理です。
タイトルの候補を作る前に、本の説明を一文にする
最初に、題名として使うつもりのない説明文を書きます。
「どんな人が、何を使って、どの作業を進める本か」という形です。
例えば、「ブログ記事を持っている人が、対象記事を選び、仮の目次と不足原稿を整理する本」と書けます。
これは、説明の作り方を示す架空の例です。
売れるタイトルを示しているわけではありません。
一文を書いたら、今の目次と本文にその説明があるかを確認しておきましょう。
本文では原稿整理までなのに、一文では出版後の販売まで含んでいたら、先に範囲をそろえてください。
説明文は、多少長くても構いません。
言葉を短くするのは、何を伝えるかが決まったあとです。
候補の響きが気に入った場合も、説明文と合っているかを見直す基準として使いましょう。
読者を、肩書きだけで決めない
会社員、講師、店舗の運営者など、読者の立場を考えることはできます。
ただし、同じ立場でも、持っている資料や困っている作業は異なります。
タイトルへ入れる対象を考えるときは、読む前の状態も整理してください。
原稿がない人なのか、ブログ記事がある人なのか、すでに本を公開している人なのかを分けて考えてみましょう。
読む前に必要な経験や資料があるなら、そのことを隠さないようにしましょう。
対象を広く見せるために「誰でも」と書くと、本文で必要な前提と合わなくなる場合があります。
あなたの本で、初めて読む人がどこまで理解できるかを確認してみてください。
対象を一人の具体的な状況として書いてみると、必要な説明が見つかることがあります。
実在の読者を示す資料がない場合は、企画上の想定だと分けてください。
読者の気持ちや実績を、確認した事実として作らないことが大切です。
本で扱う約束を、作業と判断の言葉へ変える
「成功する」「信頼される」といった言葉は、本文だけで確実に実現できる内容とは限りません。
本の中で何を説明するかへ置き換えてみましょう。
例えば、著書の紹介を扱う本なら、本の情報を整理する、紹介文を作る、リンクと表示を確認する、という作業を示せます。
出版すれば必ず信頼や売上が上がると約束する必要はありません。
読者が判断するための材料や、実践の手順を伝えます。
タイトルへ結果を示す言葉を入れたい場合は、本文がどの程度その結果を扱っているかを確認してください。
結果に影響する条件を、説明から消さないことが大切です。
実際に本で説明している行動へ変えると、題名と目次を照らし合わせやすくなります。
魅力を弱くするためではなく、本の役割を具体的に伝えるための作業です。
タイトルで伝える約束は、読者の状態と、本文で説明する判断や手順に合わせましょう。
入れたい言葉と、本文の場所を対応させる
タイトルの候補に使いたい言葉を、一つずつ書き出します。
その横へ、本文のどこで説明しているかを添えてください。
例えば、「目次」「ブログ」「編集」という言葉なら、それぞれの作業を扱う章を示します。
本文の場所が見つからない言葉は、使う前に役割を考え直しましょう。
少し触れているだけの内容を、タイトルの中心に置くと、本文の厚みと合わない場合があります。
書名として使いたい言葉があるなら、本文を増やす必要があるか、別の言葉へ変えるかを判断します。
題名だけを先に確定させ、あとから説明を無理に合わせないことが大切です。
本文の中心を表す言葉と、補足の言葉を分けると、長すぎる候補を整理しやすくなります。
すべての章の名前をタイトルへ入れる必要はありません。
一冊の中心が伝わる言葉を選びます。
対象・作業・範囲・前提の四つをまとめる
題名の土台になる情報は、四つの欄へ整理できます。
対象となる読者、説明する作業、扱う範囲、必要な前提です。
次の表は、書籍原稿の整理を扱う架空の企画例です。
| 欄 | 記入例 | 確認すること |
|---|---|---|
| 対象 | ブログ記事はあるが、本の原稿を作ったことがない人。 | 本文の出発点と合うか。 |
| 作業 | 記事を選び、目次と不足原稿を整理する。 | 各作業を説明する章があるか。 |
| 範囲 | 書籍用の原稿をまとめる段階。 | 扱わない工程を広く約束していないか。 |
| 前提 | 利用できる記事と資料を持っている。 | 必要な準備を読者へ示しているか。 |
四つの内容を、全部タイトルへ入れる必要はありません。
まずは題名を判断する資料としてまとめます。
タイトルで伝えることと、紹介文や導入で補うことを分けてください。
候補は、異なる役割で作って比べる
タイトルの候補を複数作るなら、語尾だけを変えるより、伝える中心が違う案を作れます。
対象読者を先に示す案、扱う作業を先に示す案、完成する資料を先に示す案などです。
例えば、次のような架空の候補が考えられます。
- ブログを書きためた人の原稿整理。
- 記事を選んで目次へ並べる手順。
- ブログ記事から書籍用の原稿を作る。
これらは、表現の比較をするための例です。
販売結果や審査の通過を示すものではありません。
候補ごとに、初めて見る人が何を想像するかを考えます。
本文の範囲より広く受け取られそうなら、作業段階を補うか、言葉を変えます。
言葉の響きだけで順位を付けず、内容との一致を同じ基準で比べましょう。
比較の記録には、「この案を見た人に、何が伝わってほしいか」も一行書けます。
作業が中心の案なら、原稿を整理する手順があると伝わるかを見ます。
対象を中心にした案なら、手持ちの記事を使う人向けだと分かるかを確かめてみてください。
同じ案が、すべての情報を同じ強さで伝える必要はありません。
伝わりにくい点を補足へ回せるか、中心の言葉そのものを変える必要があるかを考えてください。
採用しなかった案は、なぜ外したのでしょうか。
その理由も残しておくと、編集後に題名を再検討するときの手がかりになりますよ。
「初心者」「実践」「入門」の意味を本文とそろえる
初心者向け、実践的、入門といった言葉を使う場合は、本文で何を説明するかを確認します。
初心者向けなら、手順を始める前提と言葉の説明があるかを見ます。
実践を示すなら、考え方だけでなく、作業の進め方や確認する内容を扱っているかを確かめておきましょう。
入門と書いていても、途中から経験者だけが分かる話になるなら、対象の説明を見直してください。
これらの言葉が使えるかを、一律の章数や文字数で判断する必要はありません。
今の原稿が、その表現から受け取る期待と合うかを見ます。
本文の読者を決めていないまま、便利な言葉として付け足さないことが大切です。
想定している初心者の状態を具体化すると、タイトルと導入に必要な補足も分かります。
広い表現を使う場合ほど、何を扱うかを紹介文で明確にしましょう。
数や期間を入れるなら、本文で確かめる
手順の数や、扱う事例の数をタイトルへ入れる場合、原稿の内容と一致しているかを確認します。
途中で構成を変えたのに、題名だけ古い数が残っていないかを見てください。
作業にかかる期間を示す場合は、読者の条件によって変わることもあります。
確認できない日数を、誰でも同じように完成できる約束として入れないようにしましょう。
数字があると具体的に見えますが、具体的に見えることと、根拠があることは別です。
本文で扱う項目を数え、どの条件の説明かを確かめてください。
数が中心でない本なら、無理に数字を入れる必要はありません。
題名を短くしたい場合も、必要な条件を消して結果だけ残さないことが大切です。
候補を比較するときは、数字を含む案と、作業を示す案を並べ、本文の役割がどちらで伝わるかを考えられます。
検索で使う言葉を、書名へ詰め込みすぎない
読者が使いそうな言葉を考えることは、内容の伝わり方を見直す材料になります。
ただし、関係する単語を全部タイトルへ並べると、何を説明する本なのか分かりにくくなることがあります。
今回の中心を表す言葉を選び、補足は紹介文などで説明する方法を考えましょう。
書名と、書籍情報を登録する各欄の役割も分けて確認します。
KDPの公式ガイドラインでは、タイトル欄に表紙の実際の題名を入れること、ランキングや販促の語句などの禁止例が示されています。
登録時には、KDP公式「本のメタデータのガイドライン」を確認してください。
この記事の候補整理は、公式条件へ適合することを保証するものではありません。
本文に合う題名を考える作業と、登録前の条件確認を両方行いましょう。
本文を知らない人の読み取り方を確かめる
候補を見直すときは、題名だけを見た人が、どんな本だと思うかを考えます。
人へ見てもらう場合は、「どの内容が入っていると思うか」「どんな人向けだと思うか」と聞けます。
単に好きな案を選んでもらうより、内容の受け取り方を確認する方法です。
少人数の反応を、そのまま市場全体の需要や売上予測として扱う必要はありません。
本文との食い違いを見つける材料として使ってください。
受け取られた内容が本文にない場合は、題名を変えるか、必要な補足を考えます。
質問された項目を全部本文へ追加するのではなく、本の範囲と合うかを判断しましょう。
一人で見直す場合は、説明文と候補を少し時間を置いて読み返し、同じ役割が伝わるかを確かめてみてください。
題名を先に決めた思い入れから、範囲を広げすぎないことが大切です。
本文が変わったら、タイトルの約束も見直す
原稿を編集して、章を減らしたり、対象読者を変えたりした場合は、タイトルも見直します。
仮の題名が、以前の内容を表したまま残っていないかを確認してください。
タイトルの候補、採用した理由、確認した本文の版を一緒に残す方法があります。
表紙や紹介文の作業を依頼する場合は、どの題名が現在の候補かを明確にします。
決定前の案と、確定した題名を混ぜないようにしましょう。
表紙に入れた文字を直した場合、本文内の書名や紹介用の資料も、同じ表記へそろえる必要があります。
一度題名を決めれば、内容を確認せず使い続けてよいというわけではありません。
完成した本文へ戻り、本の役割と合っているかを確かめておきましょう。
制作の前と、公開の前で、使う表記が一致しているかを確認してください。
タイトルと紹介文で、役割を分けて伝える
題名へ全部を入れられない場合は、何をタイトルで示し、何をほかの説明で補うかを整理します。
主題をタイトルへ置き、対象読者や作業範囲をサブタイトルや紹介文で補う方法があります。
ただし、短い題名が広く受け取られるなら、補足と合わせて誤解しにくい形を考えてください。
本文の重要な前提を、小さく見えにくい説明へ押し込めることが目的ではありません。
読者が本を選ぶとき、扱う範囲を把握できるようにします。
ブログの記事タイトルと、書籍の題名も、同じにする必要があるかを検討できます。
一つの記事は限定的な疑問を扱っていても、本では複数の作業を順に説明している場合があります。
元の記事の題名をそのまま使う前に、一冊全体の役割へ合うかを確かめましょう。
相談には、候補と判断の資料を一緒に出す
書名を相談するときは、候補だけでなく、対象読者、本の説明文、仮の目次、本文の状態を添えましょう。
どの言葉を中心にしたいか、どんな受け取られ方を避けたいかも示せます。
候補がまだない場合は、四つの欄を整理した資料から相談できます。
ナガーノの出版代行の基本内容には、タイトルやサブタイトルの提案が案内されています。
既存の題名がある場合の扱いも含め、サービス案内を確認してください。
題名の提案を受けたことが、売上や信頼の向上を保証するわけではありません。
本文との一致、表記の確認、登録時の条件を見直しながら、今回の本へ合う題名を決めましょう。
まずは題名として使わない説明文を一つ書き、今の本文でその作業を扱っているかを見てみてくださいね。