事例を本に入れるときの選び方と説明の順番

本の説明へ事例を入れると、読者が具体的な場面を考えやすくなります。
ただし、結果だけを並べたり、条件を省いたりすると、何を参考にすればよいか分かりにくくなります。
事例を選ぶときは、今回の章で何を説明するために使うかを決めましょう。
実際の記録と、説明用の架空例も分けます。
この記事では、本へ入れる事例の選び方と、条件、判断、行動、確認を伝える順番をお伝えします。
大きな成果を見せるためだけに使うのではなく、読者が自分の状況へ当てはめる材料として整えてくださいね。
事例ごとに、説明したい判断を一つ決める
事例を選ぶ前に、その章で読者が何を判断するかを確認します。
例えば、記事を本へ入れる基準を説明する章なら、採用した理由や、保留した条件を示す例が役立ちます。
原稿の順番を見直す章なら、前提が後に出てきた状態と、並べ直した理由を示せます。
一つの事例で、選定、構成、制作、販売まで全部説明しようとすると、中心が分かりにくくなる場合があります。
何を比べるための例かを、一文で書いてください。
その目的と関係の薄い情報は、今回の説明へ必要かを見直します。
事例が長い場合も、最初に役割を決めると、残す情報を判断しやすくなります。
珍しい結果があることと、章の説明へ役立つことは別です。
読者が何を学ぶ例かを基準にして選びましょう。
実例・架空例・複数の条件を組み合わせた例を分ける
実際の記録を使う場合、確認できる出来事と、あなたが考えた解釈を分けます。
説明用に作る例なら、架空の例だと読者へ分かる形にしてください。
複数の状況を整理して一つの例にする場合も、その成り立ちを明確にします。
編集した例を、一人の実際の体験として紹介しないことが大切です。
例の名前や数字を変えただけで、実際の記録と同じ事例だと考えないようにしましょう。
条件を変えると、判断や結果の意味も変わる場合があります。
作業用の一覧には、例の種類、元の資料、変更した情報を記録します。
確認していない成果を補わないでください。
資料が足りない場合は、事実の説明を増やすより、架空例として手順を示す方法があります。
その場合、実績を示す例ではなく、説明を具体化する例として使いましょう。
最初に、事例の出発点と条件を示す
事例は、結果から始めるだけでなく、どんな状態から進めたかを示すと判断を追いやすくなります。
持っていた資料、すでに終わっていた作業、困っていたこと、今回の範囲を書いてみましょう。
ブログの書籍化の例なら、記事はあるが選定できていない状態と、原稿がまとまっている状態を分けます。
同じ手順でも、出発点によって必要な作業が異なる場合があります。
条件を省いて、誰でもそのまま使える手順だと受け取られないようにしてください。
説明に必要な条件と、掲載する必要のない個別情報も分けます。
仕事の名称や、細かな日付がなくても、判断の条件を説明できる場合があります。
短くする際も、資料の状態や作業の前提は残しましょう。
出発点が分かると、読者が自分と同じ条件かを考えやすくなります。
事例は、何をしたかだけでなく、どんな条件から、何を判断したかを添えて伝えましょう。
選択肢と、選んだ理由を文章にする
行動の前に、どんな選択肢があったかを示すと、判断の意味が伝わります。
例えば、記事を全部入れる、テーマで選ぶ、先に一章だけ試作する、という選択肢が考えられます。
これは、判断の説明を作る架空の例です。
選んだ手順について、なぜ今回の条件へ合うと考えたかを書いてください。
「それが正解だった」だけでなく、資料の状態や、読者の目的へ関係する理由を示します。
選ばなかった方法を、すべて間違いだと評価する必要はありません。
別の条件なら使える場合もあります。
事例の中で確認できる理由と、あとから考えた説明も分けましょう。
元の記録に理由がない場合、実際にその理由で選んだと断定しないでください。
判断を整理するための考察として書けます。
行動は、読者が追える単位に分ける
「原稿を整理した」という一文だけでは、何をしたかが分かりにくい場合があります。
記事を一覧にした、対象読者を決めた、採用候補を付けた、重複をまとめた、という作業へ分けます。
すべての細かな操作を載せる必要はありません。
章で説明している判断に関係する作業を示してください。
前後で、資料がどう変わったかも説明できます。
項目だけが並んだ一覧へ、採用理由と不足原稿の欄を加えた、という形です。
行動を分けるときは、確認した記録に基づく部分と、説明用に作った部分を区別します。
実際に行っていない作業を、体験の中へ足さないようにしましょう。
読者へ使い方を示したい補足は、事例の後に別の説明として置けます。
事例そのものと、読者向けの手順の案内を混ぜないことが大切です。
確認した結果と、確認できない影響を分ける
事例の結果は、確認できた内容を具体的に示します。
仮の目次ができた、未執筆の章が分かった、重複している説明をまとめた、という状態です。
その後の売上や信頼の変化を確認していない場合、結果として付け加えないようにしましょう。
実際に変化があっても、その方法だけが原因だと断定できるかは別の問題です。
複数の条件が変わっているなら、そのことを残します。
事例の一つの結果を、読者全員に同じように起こる保証として扱わないことが大切です。
確認できた範囲を示し、今回の判断へどんな材料になるかを説明しましょう。
うまく進まなかった点がある場合も、消して成功例だけに整える必要はありません。
未解決の項目と、次に確認したいことを残すことで、事例の条件が分かりやすくなります。
事例の説明は、五つの欄へまとめられる
次の表は、説明を整理するための架空の例です。
実績や、実際の顧客の記録を示しているものではありません。
| 欄 | 記入例 | 役割 |
|---|---|---|
| 出発点 | 関連記事はあるが、一冊の範囲は未定。 | 使える資料と前提を示す。 |
| 判断 | 原稿整理までを扱うことにした。 | 選択肢と選んだ理由を説明する。 |
| 行動 | 採用、保留、更新待ちへ記事を分けた。 | 具体的な作業を追えるようにする。 |
| 確認 | 仮の目次と不足原稿の一覧ができた。 | 確認できた状態を示す。 |
| 限界 | 素材の掲載条件はまだ確認中。 | 未解決の項目を残す。 |
この五つを同じ量で書く必要はありません。
この章で伝えたい役割に、どの内容が関係するでしょうか。
関係する部分を選び、理解に必要な厚みで示してみてください。
結果の欄だけ長くなっているなら、条件と判断が読めるかを見直してください。
名前を変えたあとも、特定につながる情報を見直す
実例を使う場合、個人名を別の名前へ変えただけで、掲載の確認が終わるとは考えないようにしましょう。
職種、地域、時期、出来事の組み合わせから、関係者に分かる場合があります。
説明へ必要な情報かを一つずつ見直してください。
細かな日付や特定の組織名は、読者が判断するために必要でしょうか。
章の説明に関係する情報かを考えてから、載せる範囲を決めてみましょう。
掲載してよい範囲が分からない情報は、いったん確認待ちへ。
使えると決めつけず、確認する対象として残しておきたいですね。
確認できないまま、名前だけ変えて公開する必要はありません。
架空例へ切り替えたことは、読者に伝わるでしょうか。
説明用の例であることを示し、実際の人に起きた結果と受け取られないようにしておきましょう。
説明に使う条件と、個別の識別につながる情報を分けることが大切です。
この記事の整理方法だけで、あらゆる掲載条件を満たすと保証するものではありません。
素材や事例ごとの条件を確認してください。
画面や図表は、文章と別に掲載条件を確かめる
事例へ画面や資料を添える場合は、その画像の内容も確認します。
名前、メール、管理画面の情報、未公開の資料などが写り込んでいないかを見てください。
文章から個別情報を減らしても、画像へ残っている場合があります。
説明に必要な部分だけ示す方法や、架空の資料で説明する方法を考えられます。
ただし、画面を加工したことだけで、使用条件の確認を省けると考えないようにしましょう。
KDP公式では、著作権やプライバシーなどの権利を侵害していないことの確認を求めています。
出版前には、KDP公式「コンテンツ ガイドライン」も確認してください。
画像の使用条件が未確認なら、その素材を掲載済みの完成原稿として扱わないことが大切です。
文章と画像を別々に確認し、組み合わせた状態でも見直しましょう。
複数の事例は、条件の違いで選ぶ
一つの章へ複数の例を入れるなら、何を比較するかを決めます。
資料がそろっている場合と不足している場合、対象が決まっている場合と未定の場合などです。
同じ条件で同じ行動になる例を増やすだけでは、説明が重複することがあります。
条件の違いによって、判断が変わる例を選べるかを考えましょう。
事例を並べたあと、違いを短くまとめます。
何が同じで、何が違い、その違いがどの作業へ関係するかを説明します。
読者の条件が、どの例とも一致しない場合もあります。
例をそのまま選ばせるだけでなく、自分の資料を確認する問いを置いてください。
すべてのケースを集めることより、判断の軸が伝わることを優先します。
章の範囲から外れる例は、別の企画へ保留できます。
事例の最後に、読者の確認へ戻る
事例を読み終えたあと、読者が何を確認するかを示しましょう。
「参考になりました」で終えるより、自分の条件と比較する問いを置けます。
例えば、「今ある資料は何か」「まだ決まっていない条件は何か」「どこを確認してから進めるか」という問いです。
事例と同じ行動をする前に、前提が合っているかを見てもらいます。
読者が作る一覧や、確認表へつなげる方法もあります。
事例の条件を、自分の資料の欄へ書き換えてみる作業です。
ただし、事例の結果を目標としてそのまま保証する必要はありません。
本文で扱う判断と確認へ戻ることで、例が章の役割へつながります。
体験の紹介と、読者の実践を橋渡しする短い説明を用意してください。
編集した事例は、変更した条件を記録する
事例を短くしたり、説明の順番を変えたりした場合は、条件の意味が変わっていないかを見ます。
先に示していた前提を削ったために、結果だけが強く見えることがあります。
短縮前と短縮後を分けて残し、何を省いたかを確認してください。
実際の数値を丸めた場合や、個別情報を一般化した場合も、作業用の記録へ残せます。
内容を変えた例を、元の資料と完全に同じ記録として扱わないことが大切です。
事例の出所、種類、変更点、掲載条件、確認待ちの項目を一覧にしておきましょう。
原稿の校正で事実を確認するときにも、どの資料へ戻るかが分かります。
確認できない項目は、見栄えが整ったからといって完了扱いにしないでください。
事例の文章と、掲載する素材の両方が確認できているかを見直します。
数字を入れる場合は、比較の前提をそろえる
事例に件数や作業量を示す場合は、何を数えた数字かを説明します。
記事の数なのか、章の数なのか、確認した項目の数なのかを分けてください。
変更前と変更後を比べるなら、同じ対象を同じ基準で数えたかを見ます。
対象が変わっている場合、数字の差だけを改善の大きさとして示さないようにしましょう。
例えば、記事を統合して件数が減っても、本文の内容が減ったとは限りません。
反対に、章が増えても、必要な説明が厚くなったと確定するわけではありません。
数字の前後で何を変え、どんな状態を確認したかを文章で添えます。
実際の数値を取得していない場合は、確認した数字として作らないでください。
架空の数字で説明するなら、架空例の範囲を明確にし、実績を示す欄と分けて使います。
数字を入れない方が説明しやすい事例では、資料の状態と判断の違いを具体的に示す方法もあります。
事例の原稿を、編集の相談へつなげる
出版の相談では、使いたい事例と、その役割を一緒に示すと伝わりやすくなります。
どの章へ入れるか、実例か架空例か、確認済みの資料は何かをまとめます。
掲載条件が未確認の部分や、内容を整理したい部分も残してください。
事例の選定や説明の編集も相談したいなら、制作だけの依頼と分けて、必要な作業を伝えます。
ナガーノの出版代行の案内では、基本内容と、原稿作成や編集について確認できます。
あなたの原稿の状態を示し、どこまでの作業を依頼するかを相談しましょう。
事例を本へ入れるときは、種類と条件を明確にし、判断・行動・確認・限界を順に伝えましょう。
まずは事例を一つ選び、この章で何を説明するために使うのかを書いてみてくださいね。